リモート日記 パンクシー編

子供の頃、疑問を持ってなにかを調べるという行為が極端に嫌いで、今思えばわずかな情報で世界をシンプルに曲解していた、と感じるけど僕と同じ犬年齢4歳くらいのみんなはどう振り返っているんだろう。ネットがそばに無かった頃のことを大事にしなければ自分たちの世代は救われないんじゃないかな。悔しくて。練り消しキボンヌとか言いたかった。オウムのせいでオカルトにかぶれることが禁止された世界だったのも惜しすぎる。思想統制の元凶となった罪で松本智津夫には是非ともシケイになってもらいたい。

未だにテレビをザップして偶然得た情報で合点がいった思考から逃れられないで妄想が加速するのは世代的な病だと思うことにしている。もしくは最近特に暇だから。昼飯時に恵の髪色が超変で怖いなと思ってチャンネル変えたら坂上忍がアナウンサーに喚いててもっと怖かった。忍はイライラ棒に挑戦して冷静さを取り戻すべきだ。ナンチャンが100万円くれるかもしれないし。

さやわか・ばるぼら『僕たちのインターネット史』(亜紀書房)をぱらぱら流し読み。経験に即した語りによる清談ってかんじで少し古いけどまだまだ読める。Windows95が出るまでパソコンとインターネットはパンクな遊びだったようで羨ましい。Appleはその時代の雰囲気だけうまく残してアメリカ政府の役割を継承して発展したようだけど。ジョブズがまだ生きてたとして部下からiPhoneSE2の試作機を見せられたらなんでいつまでもこんな小便臭いもん作ってるんだって粉々にハンマーで砕いてからスニッフしてハイになりアホンダラ言いますわ。謙虚なれよ!って。

 

巷ではもう何年も悪役レスラー安倍晋三に対するはマーベルスーパーヒーローデモマン(小個体が合体して大きなホワイトノイズになって巨大カンテイをこうげきする)とSNSマン(小合体がうちで踊りながら合体して大きな雲になってもくもくしていつのまにか消える)の攻防が繰り広げられていて、でも実は!安倍は悪役にみせかけた影のフィクサー、雑なネットストーキングで空気を把握して微妙なタイミングで試合後の皆の焼肉代をこっそりたまにカンパしてくれていたのです、食べ終わったあとガムは各個体に2個くれるという、衝撃の事実が明るみになりつつあるという混迷を極めたヌルい時代になっていて今こそ佐山聡にコロすぞ馬鹿野郎と喝を入れてもらいたい季節においてもなお、

 

思想としてのパンクスは未だ有効だと思う。なぜならそれを体現するような皆が思い浮かべる典型的なパンクス、モヒカンやスキンでそんな奴は案外少なすぎるからだ。ここでブルーハーツ信者が今なお問題をややこしくしている。ブルーハーツ忌野清志郎の精神的パシリで、忌野清志郎坂本龍一とキスをしたせいとかで早死にしたケバいオネエなんだけど。

 

とにかくパンクスは武器が少なくてよかった。3つのコードのすかすかの隙間からじゃんじゃん漏れ出して衝動が現代までたどり着いている。オリジナルな連中はどんどん死に始めてるけど残党は禿げたり太ったりしつつもテクノロジーとうまく付き合って社会に紛れ込んだ。かなりの気合を感じる。今世紀に音楽やるなら電子楽器使わないとウソだ。ギターはエフェクターやアンプで化粧しなければならず、PCはWindowsMacで悩んでるあいだに気持ちが不健康になる。サンプラーやアナログシンセを直接PA卓に流し込むほうがヘルシーに決まっている。"P直"で踏んでも落としても壊れない。壊れ方もゆっくりだから気持ちの整理がつく。

 

十代の頃は気持ちのもやもやがおさまりきらず、そんなふうに超健全なものをずっと探していた。近所のブックオフで。プロディジーやエイフェックスツインやメルツバウがパンクヒーローで鼻歌で歌って変速機ついてないママチャリをこいでた。アンダーワールドやマッシヴアタックはWAVE視聴器でかなりの時間聴いたと思う。

そのマッシヴアタックの3Dがバンクシーになった。これはすごいことだ。絵としての価値やビジュツ史における評価位置づけはどうでもいい。だってそれを検討する熱量でまじめにマッシヴアタック聴くんですか、聴かないでしょう、それでいいんですよ、僕はそれなりに真面目に聴いたけど大層な意味はないと思いました。もやもやが半日収まったくらいで。パンクだから。

3Dはパンクミュージックの枠から飛び出して本当のパンクになった。瓦礫を札束に変える奇跡を繰り返し起こすことができるようになったからだ。こうなってしまえば体制も反体制もなく世界をハックし放題、あの東京都のネズミは小池百合子が発注したんだと思う。あんなのバカちっさくてみつかるわけないし見つかったとしてバンクシーのだと信じるのは難しいだろうし、見つかってすぐに変な色の雨ガッパで百合子が現場に駆けつけた百合子そんな暇なのか。無重力空間で旗がパタパタしてたNASAの月面着陸くらいありえない。きっと変な筋から話が来て、オリンピックの裏金で乗ることにして、そしたらステンシルが適当に梱包されてフェデックスで送られてきて、都の職員が普通の雨ガッパ着ながらボムしたんだろう。クールすぎるぞ、都職員、もうすぐあなたたちの上司はホリ衛門になって元気が出る薬をくれたりすると思うから頑張ってほしい。前科者だけどインコーで捕まったことがあるマンゴー知事よりましだと思う。耄碌したガンコ太陽族ジジイでも務まったんだから誰がなっても余裕でしょうね。

 

やっとここからマジな話でDEBACLE PATHというハードコアパンク雑誌のvol.2は「ハードコアパンクと学術」がテーマで当たり前に面白いし次号も楽しみだ。気付いたら現代思想ユリイカみたいになっちゃっててユリイカはWAVE(に置いてあったやたら分厚い無料雑誌WAVE)みたいになっちゃってて、当たり前を頑張ることこそが金メダル。

 

来年のオリンピックで流れるであろう椎名林檎の軍艦マーチ、楽しみだな〜