貼らないカイロ大首席

本の雑誌 で七七舎の閉店を知りショック。八百屋のような値付けで欲しい本であれば納得のいく価格で手に入り、均一棚もそれなりにいつも面白く、けっこういろんなベタな作家を好きになれた。無念。とはいえバランス感覚をもって良い古書店を経営できる方ならば他にもっと楽しいことはたくさんあると思う。古本を漁るくらいしか楽しみのない悲しい人間なぞ相手している場合ではないだろう

 

近所のショボいブックオフもどきで 万国奇人博覧館 を拾う。フランス人の辞典の翻訳なのにあいうえお順で収録されているのはどうかと思うがいちいちウイットに富みどの項目も面白い。アーベーセー順だと笑い死んだかもしれないのでこの改変があってよかったのかもしれない。この手の本はTwitterのタイムラインで奇跡が起こり続けるかのようなものものもなかにはあり、一応チェックすべし、さすが筑摩書房

一方Netflixのノンフィクションがどんどん充実していくことには恐怖である、あれこそ知っても仕方ない話ばかりだと思うが

 

暖かくなってきたので以下、正月の日記

 

余ったマイルでインドネシアへ。サーチャージが高かったからコミコミで安くすんだかは微妙。

何かしらの店や施設や露店は昼でも夜でもいつでも開いているので自分がいつ起きるかいつ寝るかいつメシを食い出かけるか、全く気にしなくてよくストレスが無い。夜が寂しいという気持ちは日本人には欠如しているのか、ナイトライフなしでここまで観光立国しようとすれば、そりゃ歌舞伎町にひとが溢れてしまうという話だ

ジャカルタはロードサイドのような雰囲気が続くクルマバイク社会だったので、そこまで大都市感はないものの、いちいち人が多い。夜中に街について暇だったのでGoogleマップで中心のぽいところのホテルチェーンを探して予約したら向かいが廃屋寸前のディスコだった。町中に酒が無いのでディスコで飲めるのはありがたい、と思えばコーラで乗り切ってるドグマ人も多数。xも女も手配できる、といきなりバイトリーダー然としたダサいジジイに声かけられたのでウワーとは思ったがオンリービア宣言によりその頼もしいジジイは消え去って、あとは普通のクラブといっしょ、というかアツい。若いカップルがBPM200のファンコットで踊りまくる。レジデントDJは3人で、交代のときはマイクでアナウンスがある。ファンコットはハウスを高速化して歌謡のリフを乗せるので、バスと裏打ちのスネアめいたもの、リフ、上物の抜き差しで盛り上がりをつくる。パイオニアにUSBを刺しっぱなしでガビガビなデータをプレイする3人のうちひとりのアナウンスがなされるやいなや皆踊り出す、というのは彼が有名だというわけでなくなじみのリフを乗せまくるからなんであった、一方で人気ないほうのDJは抜き差しの展開が工夫されており、自分としては上がった。リフの1音目をアシッドぎみに引っ張り、スネアが鳴り切ったところで鉄板リフがくる。歌謡由来リフは2種類ほどしかない。上物はベタな洋楽か地元歌謡。高速クイーン(某白痴的なロッキュアンセム)がよかった。ボックスシートで埋め尽くされたエリアに比べてあまりに狭いフロアは枡形で建物の中央半地下にあり、ちょうど相撲の土俵くらい。そこで叫びながら踊ってはヘリに座ってタバコを吸うかツレのおねえちゃん(だいたい売春婦)のところに戻るかというシステム。ずっと踊ってたらソロ客がたくさんタバコくれた

調子に乗って連日クラビング。地方のディスコはもうちょいジュリアナ東京的な風情だった。クロージング1時間ではテーブルチャージをした人たちの名前が読み上げられながらパイオニア卓に500円相当札が叩きつけられ、誕生日の奴の家族写真がVJの簡易編集によって晒され、という香ばしさ、客出しの時間には、閉店までのカウントダウンを示すタイマーが映し出されていっきに場を盛り下げるといううまくできた作りだが、この間もかかってるのはずーーーーっとファンコット

昼間はスコールから逃げるので忙しかった

中国人がひとりもいない地方のチャイナタウンがトータルリコールのような世界で好きだった