且つ最後に愛

ベースフードはカビのスキャンダルはあったが、これから補償金が入ってくるし良いプロモーションになったんじゃないか。まだまだ買い目である。そもそも完全食品に手を出す輩というのはカビ上等という類が大半だろう。普通の食品企業とは違って信頼も理念もいらない。完全であることさえ自身が納得するフィクションで良いはずだ。そして完全食品はライバルが出づらい、日清くらいなもんで、そういう方向に舵を切ったらブランドイメージを棄損する悪魔の果実なんだ、そんななかで専業ですでにコンビニ販路があって、というベースフードは活路がある、ありすぎてます。ほどほどにマズいのもセンスが良い。

グロースがおそらく年初に吹くので、TKPとともに戻りを狙いたい。今年のグロース受難は新NISAの先回り投資に皆流れすぎてたように思う。来年蓋をあけてみれば、JTやイオン等、高配当優待銘柄は売られて、グロースが買い戻される予感がひしひしとする。思惑とあべこべに動くときの相場は綺麗なもんである

 

来年持ってたい日本株は、キャッシュリッチ枠でガンホー、スリーエフ、もしかしたらアミューズ、グロースはオフィス変動とDXでTKP、sansan、サイボウズ、レアジョブ、クルマ関係はマツダリョービ、しかしスズキはあがってしまった、物流混乱とデフレ対策でオエノン、カクヤス、九州好況でヤマエ、アメイズ、ドミナントがみえてくるのでTKP、ココルポート、インフォリッチ、やまみ

あたりどうでしょうか、バリューは宇宙産業になるスカパー

 

ビジネス書も面白いものはあった。おもろいのに限って絶版になるから気が抜けない。

新薬の狩人たち は、高分子から低分子へ創薬ステージが高度化するなかでドラッグハンターが減っていったり、偶然の産物や気合いでなんとかできなくなってきて、という話。いまのペプチド創薬の発想に繋がる流れが分かり、よかった。

とはいえIPS万能細胞なんかはたった4種類のカクテルでできたって話だし、夢がある。小保方さんも麻雀牌切るノリで研究してたんじゃないかマジで

 

イノキが亡くなったときにちょうど、アリ戦ののちにアリとやりたがってた独裁者アミンがイノキともやりたがっていた、という話を知って、新潮クレストの スコットランドの黒い王様 を読んだ。なかなか良い小説だった、クッツェー好きだったらいけるかもしれん、アミンがこんな奴だったんじゃないか、という発想一発で読ませるほどに独裁者のカリスマ性が憑依していてなかなか良い。理不尽な上司はこうであって欲しい、という感じ。

 

邦画はいまおかしんじの映画ばかり観ている。日本の低予算映画かくあるべし、というペーソス。葵ちゃんはやらせてくれない がベストなんだけど、今後数年で軽々と良い作品を撮ってくれそうな予感がする。

 

あまり良い音楽はなかった

マンコのヘアへ電話をかけて

26日ひかりのうまで久々にライブをする。いいさんとりささんがいっしょにやってくれて、ありがたい。ギターとベースの動き方やドラムの挟み方というのは概して、リズムと音域割りの合理性が極めてあることを犠牲にして実は非常に窮屈なルールが蔓延っていると思う。それ以外でも曲は成り立つんじゃないか、そのほうが自由な雰囲気になるのではないかと感じるし、自分は中音域に音が集まっていても構わないので、ドラムは抜きでギター2本に上物だ、となんとなく思っていたのでその実践の良い機会になるのかどうか

ギターは簡易ピアノであるということは忘れてはならない

次は管楽器複数でわかりやすい情感を出しながらそれに甘えて2人くらいでシンセでびゃーびゃーやる、というのがやりたいな、スモールピースでビッグバンドの幻聴を引き出す、みたいな、管弦楽器奏者募集します、、、金かかんないように電池駆動のアンプ買ってイノ公か大森埠頭らへんで練習しようかなー

楽器は上手くならないが、進行する集中力を保つテクニックみたいな

 

誕生以来、ホラー映画の魅力というのは何か起きそうで何も起きないのかと思わせ、そんな中で捻られたラストに向かうというところでそれを盛り上がるのがライティングと、ドローンや電灯、家電、森林等のノイズである、ということを認識させてくれたファミリー・ディナーは傑作だった。筋書きは矛盾だらけなんだけど、そういう部分含めウィッカーマンに通じるところがあり、これぞ娯楽という素晴らしかった。異教信仰の描写もほどほどにキモく、A24がスベるのはそこだよな、やっぱコスト意識とかマーケティング持ち込むとダメだよな、エゴか大事だと感じられる。みてもみなくても良いとは思うが映画くらいしか救いがない連中はみるべきだ。

 

邦画はテアトル制作のものが今年も良かった。去年はエゴイストに泣かされたが、花腐しも予想以上に(宣伝の仕方がズレているからだろうが)良かった。ダメなほうに変わっていく東京と主人公をダブらせた松浦寿輝の原作の厭世的な雰囲気は影を潜めているが(東大のセンセイって小説うまいよな!夏目漱石とかな)、共通の女の思い出を意図せず語るという月並みなフォーマットに落とし込んで、何億光年輝く星に生きてる我々にとって人生は何なのか、その思い出にどういう意味があるのかという部分にフォーカスした点は極めて映画的でよく、ピンク映画界隈を舞台にしているので話の青臭さが目立たず、それゆえ刹那なラストシーンも輝くというもの、かなり良い。minamoが中国人留学生のチョイ役で怪演。minamoは名前負けしてないくらい顔がめっちゃ面白いから好きだ、女性からは嫌われてそうだ。

 

紀伊國屋から歌舞伎町を通る帰り道、ケンイシイがコンテナに乗ってDJしてた。最近の新宿区の福祉というものは素晴らしい。

 

株の売却益で今月の税金が不当に高く、しかし増えたはずの金はもうとうに無いという窮状を打破すべく、藁にもすがる思いで紀伊國屋で新刊チェック、『低PBRの逆襲』菊地正俊 を読んだ。果たしてこの時期の出版が旬なのかどうかは、評価が分かれると思う。ある程度、対応策は見えて株価には反映されている頃合いだからだけれど、それとは別のアングルで考察するとよいかと思う。プライム基準未達で得意分野がクレーン、重機はそこそこでライバル1社という加藤製作所は買収思惑や事業切り離し思惑、短期的な株主還元政策等が見込まれてPERそこそこ低め、という観点から持っておいてもよさそう。もう売ってしまったがリョービはやはり良い。非鉄業界のPBRが低いということはあるが一応プライムでPBR対策は打ち出しているし、自社株買いしないのが好感が持てるそしてダイカスト技術は今後十分な投資をすれば伸びるっつうのが何より良い。低PBR企業を眺めると斜陽産業だらけななかで、非鉄はまだまだ革新余地があるにも関わらずクルマ関係というので不当に評価がなされていると思う次第。あと広島の会社は強い。これは信仰みたいな感じなのだけど、広島の連中は標準語がうまいというか、関東の人よりも心を掴む話し方をしている気がする。いまをときめく有吉弘行は典型的な広島なまりの標準語なんだな、紅白で司会ということもあるし、マツダリョービ、やまみあたり、有吉銘柄ということで買いではないでしょうか、メリークリスマス、ミスターローレンス、メリークリスマス、ミスターローレンス、メリークリスマス、ミスターローレンス、という具合に老人ホームで北野武がボケてたら怖すぎるだろうな

イエス降臨LOVE

小島信夫の別れる理由を読み始めたがサイケ感がやばい、彼のボイスの複相性というか、流れを一つに決め切らないいいかげんさというか、第三者語り冥利に尽きるような、「…と言うだろう、言わないかもしれない」みたいな残尿感、いいかげんにせえよ、と思わなくもないがブログ以前のブログといった具合でスリルがある

 

ギャンブルは金を種に金を産む行為なので金の効用を考えてはならない。商品やサービスの価格から勝ちたい金額を思い浮かべベッドする行為は全てスケベと見なされる。投機はストイックな行為であるといえる。1000円のベッドとラーメン1杯を食った満足感は比較不可能なんであり、1000円のベッドから得られるのは10万円にも0円にもなり得る未来なんである。競馬で電車賃を除いた額を完全にスッたときの心地良さの源は、その可能性に対する満足のみである。寺銭が比較的高い宝くじを買うやつはバカだ、という声は多いが、それはひろゆき的発想であって、宝くじファンが買っているのは6億円が手に入る可能性であることがほとんどだろう、特に悪くはない趣味だと思う。

いっぽう金を金として相手に受け取られる奇跡はマルクスモーセ岩井克人によって説明が尽くされているが未だに解せないのがなぜドンキーコングではバナナを集めなければならないのかということだ。100個で1UPつうのはマリオ時代の名残として受け入れられるもののなぜ主食をせっせか集めなければならないか、あれは不気味だし、今振り返ってもスーファミにしちゃあり得ないグラフィックの良さだったと思う、あのゲームの魔術性は凄まじい。泳ぐステージは特にもう一度やりたい慣性の心地よさがある。ドンキの残りライフはバルーンで表記されていたと思うが、王様のブランチで渡部がバルーンになって飛んでいくギミックで降板が知らされた際に思い出したのかもしれない

 

映画はいろいろ観たがイチオシは宇宙探索編集部、中国のムー的オカルト雑誌編集長の最後っ屁感動巨編で、エセ化学にやたら寛容な共産党のお墨付き映画。テンポが遅くドキュメンタリー調な農村風景が続くが、多様されるジャンプカットのグルーヴが心地よく、ストーリーは新約聖書ドンキホーテもブッタの伝説も飄々と乗り越える

 

あと今思い出してもバービーは良かったし、大半の日本人の批評家連中が誤解していたのは本当にキミが悪かった。ガワはフェミ映画ではあれど、バービーは自主映画時代からこれまでのグレタガーヴィグの携わった映画と何ら変わらない構成で、つまりは女の子が進歩的な思想を深化させて邁進するものの、なんだかイヤな目にあって、それでもいいか、自分は美人でもあるしな、置かれた場所で咲くかいな、というトホホな話なんであるし、そのトホホ感のリアリズムに彼女は惹かれ続けているように見える

これは決して女の子をチアする映画には見れないし、そう誤解した人間は欧米事情、多様性尊重映画がマスのものであり資本にとっては規範にさえなっている、という点を理解できていない。二酸化炭素排出くらいみんな好きな話で、金になるし、そうしなければいけない窮屈さをむしろグレタさんは嘲笑うかのようにトホホなフレーバーを散りばめている

グレタさんの原動力にはもちろん世直しのようなところはあるんだろうけれど、本当はもっと漸進主義的なんだと思う。彼女が向き合っているのはエーガ界のマッチョさ、そして自分のヲタサーの姫的気質と外見といったところで、商業映画になろうとそれを棚上げにしない実直さが映画バービーの感動を生んでいる

その芯の強さがあってこそ、どれだけ美男美女を多様しようが、抑圧的な大衆を冷笑しようが、自作含む過去作の引用をちりばめようが、自分らしく生きることの尊さを伝えることに成功したんだと思うし、新宿のスクリーンでは隣に座ったクマさん系同士のカップルは泣いていた、俺も泣いた…

 

イラン映画、熊はいないもよかったが

あとファルコンレイクもよかった。ジュブナイルもののゴーストストーリーてのはぐっとくる

 

ウェスアンダーソンの新作、題名は失念も、快作で箱庭的セットでウェスアンダーソンはなんか突き抜けたと思う。あまりインスタ的なカットもなかったし。それより驚いたのがパルコのなかのシネクイントホワイトのスクリーンは細かいプツプツがついていて、そのせいで映像がガビガビになっている!誰も文句も言わないのが不思議なくらいだし、何より許せないのが余白なしのスクリーンの端が丸みを帯びているところだ、何故…スクリーンが四角くないのでどんなカットもよくわからん。四隅の数センチを映さない英断をしたパルコ文化事業の実行力は目を見張るものがある。こりゃ国際問題になるんじゃないか。まさか世界の監督連中はここ渋谷で四隅が切れた状態でかかってるとは夢にも思わないだろうな。しかしなぜスクリーンがプツプツしているのか、今思い出しても怒りが止まらない。とはいえ映画くらいしか楽しみがないこっちのほうが悪いんであって、スクリーンにプツプツした点を入れた方がきっと良いこともあるんでしょう。パルコのロゴもしっかりプツプツさせて、これからも完全池袋化した渋谷の未来を懲りずに明るく照らしてください

男は休みをそうさかついで生きてきた

PER低め趣味消費つうので適当に買ってた株で決算爆死、しかも単位がデカくたたみ方も迷うトホホな決算シーズンとなった一方、実はプライスリーダーで斜陽産業で広島本社というひらめきで持っていたリョービ、やまみはうまくいったしまだまだ持てるうえ、どう考えてもドミナントなのに過小評価されているカクヤス、インフォリッチはやはり強い。めちゃめちゃ良い銘柄見つかったときは都合が良すぎるように感じてリスク見れてない自分は適当だなと感じてしまいがちなんだけれど本当の適当買いとそれをはやく峻別できるようになりたい

面白い株はだいぶ上がってしまって辛いが環境関連で水素との相性と造船の好況からディーゼル、6Gとデータビジネスと軍需で人工衛星系は遅ればせながらこの夏で買えるんじゃないかと思う次第

あとはこれからどんどんアホが上を買ってくることを見越すと地味なインバウンドで文具と製紙とアミューズメントチェーン、あとは絶対ラーメンこれは逃げ方が肝心。マンション反対!ラウンドワンを作れ!

 

フィルムアーカイブでうなぎを観た。役所広司は90年代の異常者を一手に引き受けたのか、こんなひどいフィルモグラフィーでなぜバーモントカレーのCMが来るのか、同年代だとトヨエツもそうだけど売れ方の懐が深い。いまの状況の広末がバンバン仕事取ってくるみたいなかんじだったんだろうか

うなぎは初見だがびっくりして原作をメルカリでポチってしまった。うなぎをモチーフに複相的な田舎の群像劇が進みつつUFOを呼びたい男の存在がノイズかつ話をうまくまとめている、これを短編で考えてたとしたら原作はヤバい

 

ヴァンパイアものがひとを魅了して止まないのは、人間というのが誰かを傷つけることなしには生きていけない、ということが物語るうえで普遍のテーマたりうるからでは、とRAWとか観て思ったんだけど昨日みたダッシュカムは完全にやられた

トランピストの元ミュージシャンが政治信条と自己顕示欲とフリースタイルだけで乗り切るスリラーで何重にも皮肉がきいている、ただただ脱帽…シネマートは同じ時間でかかってた中国映画が本土の人で溢れていた。かかるべき映画がちょうどいい期間でかかる本当に良い映画館だと思う、音楽映画をひいきしすぎな気はするけれど

 

小説はソローキンの吹雪がよかった。マジックリアリズムのような仕掛けのセンスが光る農民と医者ふたりきりの吹雪の旅路。ラストのインテリ感が鼻につくがこういうところにファンがつくのだろうと帯や後書きを見たら思う次第

 

ワインやらタバコ葉にオーガニックと書かれていると警戒してきたもんだが最近悪くないものに出会う。つうかオーガニックではないものには何が入っているのかピンとこないから逆に何かの欠如が怖くて警戒してしまう。ぺぺのオーガニックはうまいがやたら歯がネトネトになって、これがオーガニック成分かと舌で舐め回しております

 

尾崎ラウンド半

ひとつの道を極めた人間は物事のコツみたいなものを広範に掴んでおり世相を読んだり人間の心を察するくらいは容易い、というのはプロレスラーが政治家になったり絵描きが古代や沖縄に惹かれたりサッカー選手が社外取締役として重宝されていることから想像がつく。とはいえそれはシンお岩さんこと一流商業ミュージシャン山下達郎にはあてはまらない、というのはやはりこの国の商業音楽が未だに舶来文化の域を出ていないことに起因するのではないかと思う。特に彼がやっているのは我々がうまく咀嚼できなかった部分を完全に再現してそこに和風のフレイバーを溶けこましている(宇多田ヒカルはそんな位置付けとされているが全然違う、彼女のメロは念仏のようで浮いている。クリスタルケイのほうがすごいんじゃないかという瞬間はある)、いわゆるタイムマシン経営のような手法でそれを標榜する孫正義は大志はあれど(坂本龍馬に心酔する人間は皆危ない、武田鉄矢は大河のセット裏でカツカイシューの格好で福山雅治に龍馬の心得を説いていたらしい、好意からだとしてぜんぜん死なないしやっかいだ)徳はなし、みたいな人なんだなと思う次第

 

練馬ブックオフに大量にVシネ関連本が落ちており相川翔『百本締め』がとても良かった。激安だから一家に一冊あってもいいと思う。ゴーストライター抜きで彼の語りがそのまま文字起こしされグラビア(大半がタバコ持ってありえないDCスーツでひたすらスカしている)とともに配置された雰囲気が最高なんだけど何よりヤバいのが巻頭グラビアが記念すべき主演100本目のゼブラーマンであるところで、こんなヘボい役の宣伝を兼ねて過去を顧みてスカしまくるこの無神経さがまさに彼の魅力なんだろう、特に低予算で発揮される一本調子な芝居は不思議と曖昧な余韻を残してカメレオンのような存在なんだよね。隣人リカコやカブトムシの話は抜きで

 

ペレーヴィン『眠れ』はロシアのマインドががいかに現代から取り残されてるかっていう告発っぽく響いた短編群、西洋の尺度では多分彼らはアホでしかないんだけれど、まあそんな理屈も大事だなと思うし、地理的にもよほど彼らのほうが隣人なんだろう。サイバーパンクっぽい売り込みなのにひとつめの主人公は自転車倉庫っていうのがすごい

 

いまはゴア・ヴィダル『大預言者カルキ』を読んでいるが訳がひどくて進まない。元飛行機乗りの落ち目の女史が書き手ということなのでカルキの言葉とコントラストをつけたくて過剰になのかもしれないけれどサンリオクオリティというかなんというか

 

宅録してて全然音楽聴いてなかったけれどそれゆえにたまたま良い瞬間はあった。5年ぶりくらいに車を運転したらスティーリー・ダンが流れてぶちあがり、その後に日本語の曲が百式かなと思ったらくるりの新曲だった、素直になったのか金に困ったのか、トンネルで消えたりついたりしたから余計響いたのかもしれない

 

壊れたJUNOは壊れてないJUNOを挟んだらバグった挙動のままでまだ音は出ることが判明。明日広島のライブに持っていく。シンセは壊れかけがいちばん良いからな

 

FIREに火をつけて

リーダーズというオルタナバンドがとてもカッコいい。最近わかるようになった。ピクシーズの人たちらしいがピクシーズはほとんど聴いたことないのでどれだけかぶった存在かは判断できないが断言できるのは彼女らは特別にタイム感もいいし、ドラムも重たいんだけど思った半拍裏にアクセントがきていたり、コードチェンジも後ろめで、とにかくダラダラしている、というのがオルタナの醍醐味なのでは、と思う次第。歌詞のスコープも良い。

最近ライブでようやくギターやベースを歪ませることを覚え、自意識がやっと高校生くらいまで育ったのかもしれない。来年はバンプオブチキンのコピバンになってそうで怖い。バンドやっとる平野レミの息子はブリーダーズすげえ好きらしい。そんなところは彼の佇まいや音楽からはなにも、全然伝わらない、というのが芸能人であったりスターであったりする所以なのかも。歌はさすがにちょっと平野レミに声が似ている

 

とは思ったけれど夏のライブは全部鍵盤でやる予定、たぶん設計不良で壊れかけたローランドのシンセを思い切って買い足してチェーンモードにしたら見事に動機が不十分でいい感じにレゾナンスが暴走するようになった。のはいいけれど、買ったやつは使い物にならないくらいアウトが小さくて、ゲインを上げたらノイズがひどく載る。保証期間もまだまだ長いし、飽きるまでは使ってみたいと思うけれど、ローランドの品質が悪いのか、ハードの復刻シンセはDAW需要に特化してデカい音が想定されてないのか、とにかく心配ではある。ベリンガーは本当に落としても濡らしても元気ですごい、アカイもすごい丈夫

 

日本株はちょっと揉んで個人がしょげたところでこのまま上にいくと思う。今夏の展望としては、昨年度比業績15%ほどで来ている企業のそれが、単にコロナから戻ったのかそれとも稼ぎ方のギアが上がったからなのかを見抜くことが大事だと思う。低PBRのご祝儀相場はとうに終わっており、いま反応がないのはもう見捨てられてしまうのではないかとは思うものの、未だにサプライズがありそうなのはTBS、フジHD(テレビはオワコンだが資本を投下すればだし抜ける寡占の土壌がある、なのでサイバーエージェントの先行きは苦しいだろう)まだまだあがりが足りないのはリョービ、割安感で拾われて急に上がって揉まれている局面だけれども稼ぎ方が変わったのがまんだらけ、力の源HD、あと持ち合いで合理化が進んでいるほうの地銀はまだじゅうぶん拾えるのではないか。

それと資産株、現金潤沢な企業で、まだ目をつけられていないところは本業が時代遅れだったり恥ずかしかったりするものしか残っていないので、前者は東天紅、後者は現金ためこんでるザッパラスあたりが面白いのではないか。本業の魅力いまいちという意味では宝HDもいい。タカラバイオはコロナ明けて急速に利益がとれなくなっているがお荷物にはならないだろう。製造業は正直リスクだと思う。EV化というのは結局内部機関が単純化するということであって、加工で付加価値がとれるところが少なくなるだろう、半導体はJSRが国有化されることからわかるように素材から加工までの質が問われるので日本にまだまだ強みはあるから知名度低い地味な企業はまだ適当に買える。これはイビデンとか、単元がでかいから拾わないけれど。あと信用残が多くて機関に遊ばれてるQDレーザも黒字拡大の道筋が見えてきてそろそろよいだろう。これらは適当に持っておいて、米国の利下げが議論されるくらいの不況を迎えるまではホールドでいいんじゃないでしょうか

来年から新NISAが始まるからダサい子待ちサラリーマンが好みそうな銘柄を今年中に触っておいてもいいかもしれない、という感覚でNTTは買われすぎるだろうから、もっと国策系で配当高めな微妙なやつ、Jパワー、あと財閥系でバフェットがさわってないやつでQUOカードがもらえる系がいいと思うがそんなもの上がっても恥ずかしくなるのでパスで…テナントも持ってる倉庫系はいいと思う

エネルギー穀物高もそろそろ天井が見えてきたので食品系も逆張りでいけると思う。むしろコロナで体力のないところが廃業したところで残存者利益にうまみがあるだろう、コーヒーの石光商事、豆腐のやまみ、酒のカクヤスは良いと思う、カクヤスのトラックは都内では存在感が確実に増している

 

はてさて

 

誹り詰り無視

こちとら相変わらず金が無いうえに近所の居酒屋がつぶれそうだ。WBCは一部のバーを除いてステイホームだった模様。仕事帰りに寄る茶店でも普段大声で店主に政治論議をふっかけるジジイがずっと一方的に大谷クンの話をしていた。キューバが野球に熱心な理由がわかった

その茶店はやたら美術研究にイカれた学生も多くダルい、現代美術が終わったことをいまさら茶店で確認するんじゃないよ、シューカツ期にだけやたら流行するブレーンストーミングだか、なんとかシンキング同様こんな不毛な話はない、こんなことすんなら幽霊でも探しにいったほうがいい、そっちのほうがよほど物事の本質というものであろう

 

◯最近印象に残った映画

ペルシアン・レッスン

…ナチ物のアホ映画が好きな私に情けをかけて戸川が誘ってくれたんだけどもこれは傑作だった!ペルシア語が話せるとフカしてガス室送りを免れたユダヤ人の実話をもとにしており150分ひたすらに展開される人工言語生成がとてもスリリングなことのみならずドイツ将校らも微妙にはみ出し者というなかで偽ペルシア人に共犯の片棒を担がされ、種明かしもめちゃくちゃ感動するこれ以上ない最高の言語SFだった。よすぎて外出ても目がチカチカしたわいね。全てのことには理由があるという映画の特性を活かしきっており胸をすく

 

フェイブルマンズ

…日経レビュー以外の下馬評は良く、期待して観たもののはずれ。スピルバーグがこれで何が言いたいのかわからん。電気技師の父と芸術家の母のもとに生まれ、少々の不和はあれど彼の人生はひたすらに恵まれており、成長譚にもなっていなければ、特にターニングポイントもない。前半がよかったのはデビュー作衝突から始まる彼のキャリアは早々に子供の頃にビジョンがあったというところで、こういったところがハイライトになるのかと思いきや、映画界に入るまでがだらだらと描写されていく150分。ジョンフォードに説教されるのもいいがそれよりも中盤に蓮實重彦にブン殴られるべきだ、と思う。プライベートライアンもどきを撮影する高校生時代でもっと粘ってもよかったんじゃないか、そのシーンはよかったから。最初からスピルバーグだったとするか、スピルバーグになったとするか、どちらのスタンスにも立ちきれていないのは、あまりにもったいない

 

新・仁義の墓場(unext)

三池崇史の実録物リメイクのVシネは東映ビデオらしくつなぎがガタガタなのはご愛嬌として、岸谷五朗の演技が素晴らしい。鬼ゾリ坊主→金髪ボサ頭→鬼ゾリパンチという変遷を序盤の10分で見せつけるのはヤバいし劇伴のクールジャズがそれをなんとかカッコいいかもねくらいには持っていっている。岸谷に無理矢理処女を切られてから秒で尽くす女と化すヒロインの顔面が放送コードにひっかかるんじゃないかというほどのリアルなサセ子でぞっとした。なんて女優なんでしょうか。後半、物語のスジをたぐりきってからひたすらの岸谷のシャブ中の演技は圧巻

 

◯最近印象に残った本

ブラック・トムのバラード(東宣出版 はじめて出逢う世界のおはなしシリーズ)

…ブッチャーティとかも訳してるこの出版社のシリーズは打率が高すぎる。訳も全部良い。古本で見かけたら即買いしているのだがこれもよかった。クトゥルフのリメイクで発送はシンプルなんだけど、ブードゥー気味な能力者の黒人ギター弾きが資本家や警官の白人どもから力を取り戻すかどうか、というキャラクターに妙味がある。このシリーズは基本中編で、あっさりした綺麗な話なのかと途中予想させつつラストでもう一押しある、というものが多い。

 

ブッカケゾンビ

…ロメロが帯書いてたけど、おもいっきしトホホなホラー映画のノベライズという感じだった。新しいといえば新しい。時間の無駄といえば時間の無駄だ。大学新入生のときに仲良くなった韓国の留学生にぶっかけうどんという美味いものがあるという話をしたらヒドい嘘つくなと軽蔑されたことは毎春思い出す。あと、ぼっかけって方言にはめちゃくちゃ腹が立つ。たいたんとかもいやだ。あれらはウムラウトみたいなもんで、ひらがなで近似できない、しちゃいけないものなんじゃないか、ていうかこんな言葉書き留めるために文字は存在してい無い気さえする。

 

日本一の幽霊物件 三茶のポルターガイスト(幻冬)

…幽霊と共に30年、オカルト好きで見える体質でもある著者が幽霊物件に住んでという思い出話。バンバン出てくるだけあり怪異の変化球がけっこう良い。めちゃくちゃ見てるひとは透明感に敏感な気がする

 

ポプラ花井 ラブホ盗聴(Kindle unlimited)

…これは絶対に広まってほしい。8000本からなるテープの文字起こしはコレクターとしての業であると決意した花井が一発目に起こしたのは金玉が好きで好きで仕方ない女のテープ!マジかよ!!どんなセレクトかわからない半端な筋書き(全部画面1枚に収まるよう文字に変な圧縮をかけていてこれもまた怖い)が続くものの、肝心なテープの中身は花井が要約していたり、節々で性癖(ギャル語のほうの意です)を吐露しているからぜんぜん厚みがない、とはいえとても元気にさせてもらったけど

 

安田峰俊 北関東アンダーグラウンド

ベトナム移民の現状がわかる良書。著者は中国人カルチャーに明るく面白い本を剛柔織り交ぜて書いているが、今回は通訳をつけて足で稼いでいた。面会いったり家凸したりでつかむ移民にたいする雑感は荒いとこはあるが説得力がある。いま推進されている電子決済やインボイスによって現金使う流れが細ったら、それだけ不法滞在者やらの地下経済圏にとってはダメージなんだろうけれど、それだけじゃなくて現金とっぱらいで成立させている産業はどうなるんかと不安に思わなくはない、とはいえ我々現金が好きすぎるから、そんな心配はないか、これからは現金がパンクだ。心して消費