知念玲奈(ちん)

ポルノ映画上がりの監督の映画は手当たり次第見るようにしている。彼らにはそれぞれの映画がもたらす感動のつぼというか、作品ごとに幅のある聴衆の感情の閾値を心得た潔さがある。蓮實重彦はずいぶんポルノを誉めてきたが単に彼は下克上というか、一流の監督との相似を見つけて喜んでいただけで、実情は二軍の大将が4割打つ様な快楽を与えてくれるものだからポルノはすごいんだと思うしそれゆえ今後もなくならないと信じている。舞台はどうあれ4割のスゴみというのはある(カープ二軍佐藤は一軍では打てないだろうけれども、ていうかカープは近年のドラフトで執拗に投手ばかり取り続けており今年の貧打も当然、丈夫な外国人が来年は来ますようにと祈るしかない、とりあえず中継ぎ塹江の投げ方はとても美しい

ポルノ映画がしぶとく残っているのが単にアクセシビリティ民度の問題では説明できないということは、映画館に来てるジジイが幕間にもスマホでしっかりエロコンテンツにアクセスできていることからも自明なんであって(たいていはSODのスター女優のツイートみてる

滝田洋二郎もたしかピンクでデビューしてるんだけれど、シャ乱Qの演歌の花道というアイドル映画がとてもよかった。まずシャ乱Qの全員の喜劇的なカリスマ性がとてつもなく、陣内孝則もたいまさこといった役者を食っている。あとつんくの歌い方の幅がすごい。某動画サイトで見つけられるので絶対に見てほしい。メタ的な仕掛けがあり、映画を見ればシャ乱Qのことをほどほどに自然と好きになれるラストが微笑ましい

崔洋一のポルノも個性があり面白いしなんか泣ける

 

春を迎え日本株はぱっとはしないけれど、いちど物色されて凪だった銘柄が一挙に失速している感じがする。4月を前にファンドのリバランスが起きて、そのままだらだら売られ続けている印象。なおのこと元気のない小型株はもともとファンド関係なしなので、長期的な目線でPER10で負債も少なければ負けはしないだろう、ガマンである。飲食が軒並み上がっているなかで出遅れているDDグループは触ってみた。あとカラオケが下がっているのはおかしいと思い、コシダカHDと第一興商もつまんでいる。カラオケはインバウンド需要も大きいし、何よりコロナ開けで休日夜間の労働人口が不足しているなかでカラオケという業態は省人員かつスキル不要なのでこれから伸びると思われる。第一興商はスナックが減ってるぶん痛いがビッグエコーがしっかり個人経営のボックス分を埋めて稼いでいけるのではと思う。

全体的に情けなく何やって儲けるのかわからないグロースも軒並みやられているがグロースらしからぬただの貸し会議室屋さんのTKP、ただのバッテリーレンタル屋さんのインフォリッチを買い下がっているがどうなるかはちと不安。グロースで国内メイン15パー年成長であればPER20くらいまでは余裕で買っていいと思うんだけど。金利も絶対にあげられないわけだし、大統領選まではアメリカも景気減速を認めないだろうからリスクはなさそうである

 

シンセが壊れすぎてとうとうベリンガーのCATを購入、同時発音数が2あればじゅうぶんなような気がしている自分に期待してのところもある。それにしてもベリンガーは安くて壊れないし夢をくれる。石川五右衛門の大衆人気はきっとベリンガーのそれのようなものだったんじゃないでしょうか。いちいちデモプレイ動画はダサいが、ピーキーにパッチしたときのノイズやらまでちゃんと再現できているので振り切った音が作れるしその点へなちょこデジタル再現しがちな本家の復刻より信頼できる。もうあとはリンドラムの完全クローンが出たらもう言うことはない、待ってます!

 

鏡リュウジ(Vシネ俳優みたいな字面)がツイッターで取り上げ盛り上がっていたので奮発して互盛央 連合の系譜 を購入。音楽史と思想史の蜜月を説明するにはあまりに浅く教科書的な記述が続くゆえ1200ページというのもトホホに納得はできるが、無駄にオカルトや似非科学までカバーしているのでその辺のミスマッチ加減ゆえ奇書として話題にはなりそう、あとはどうグールドに戻ってくるかという回収方法次第かと思う今150ページくらいだから(この本の構造自体がゴルドベルグを意識してのものなので、まったく期待はできませんが)、あともしつまんなかったら存在の大いなる連鎖をいっきに読んで調子を戻したい

連休の痛飲がたたり通風で足が痺れているので重い本を読んでいると手首も痛くなりバランスがとれて調子が出る

それにしても本の分厚さで話題になりありがたがられる、というのはデブのグラドルブームくらいに下品で終わってると思う