コローナウイリアムズ

小川哲『ゲームの王国』上下巻だらだら2週間かけて読みおわる。早川のSFで評判がいい人、どれも題材がよくてこれもカンボジアの過去と未来の話。典型的sfアイテムは何も出てこず。長編小説として完全に機能不全で驚いたし腹が立った。群像劇でみんな子供の遊びとか、政治とか、コミュニケーションとか、ゲーム作成とか、何かに長けてる人たちが出てくるんだけど、みな手放しでゲームに対する信頼があって、裏切りに対する価値みたいなものを誰も提示しない。群像劇の醍醐味であるトリックスターが不在で、話にドライブがかからない。長編を読ませるだけの下調べとかキャラの魅力はあるけれど、だからといって長編の必然性は無かった、もし良く下調べされたカンボジアの描写に魅力があるのだとしたら、地元の作家の翻訳モノでいいんじゃないか、ありそうな気がする、私がなにか見過ごしている魅力があるのだとしたら誰か教えてほしい