寝具=ベッドで夢とおまえ抱いてた頃

あいみょんの佇まいは揺れた甲冑に似ィてる。

 

コンビニでビール2本とアメスピを買って1000円越え。もっともしょうもない1000円の使い方だと思う。ストリッパーの谷間に挟んだ方がまだ生産的。

 

会田誠『青春と変態』を読んだ。若い時に書いた小説らしいものに、あの人の作風に通底する潔癖なまでの政治的な誠実さを示すコードがちりばめられていて、切なくなった。覗き魔の高校生の日記のテイをなしていて、性器やら排泄やらの描写がこと細かく、つまり会田誠私小説とはすなわち覗き趣味の発露でしかない、ということを表明しなければわざわざ小説なんか書けないという、真剣になりすぎて極端な結果になるというのが彼の性癖が伝わってきて胸が痛い。とにかく、内省的な小説はおしまいだ、べつに会田誠が終わらせたわけではないが…

真逆でいくと保坂和志の話はぼんやりしてんな、と思っていたところ、ややウケ古典フロベールを寄せ集めた文庫本の編者をやっていることを知る。小島信夫との書簡をまとめた本をいま読んでいるところ。保坂がケンカを売ったり寄り添ったりしようとしている一方、ボケかけっぽい小島信夫は保坂の猫好きな側面ばかり執拗に指摘する…とかそんなかんじ。無為なコミュニケーションはそれじたい尊い爆笑問題のラジオ、カーボーイに近い。

フロベールは若い頃エジプトに旅行していて、その旅行記が法政大学出版会から出ていた。存在をしらずエロ本だらけの薬師の古本屋で購入。女買ったりもしてるらしい。

 

中田秀夫監督のホラーは今みてもいけるな的なラッキーな当たりが少ないが、『貞子』(2019)がよかった。池田エライザ主演で、水溜りボンドがチョイ役で出ている。それだけで今見返す呪いのビデオっつうかビデオの呪いってことになるんだけども、とにかく物悲しい。あとは重くて暗いカットが序盤からしっかり続くので心霊写真級に錯覚を引き起こす低予算CGが多用されてもまだ見れたものではある。最近のホラーは序盤バカ明るいのはよしてほしい

で、何がまあまあよかったかっていうと、貞子の怨念がストリーミングにしっかり対応できているところ、これに尽きる。デジタルグリッチからの貞子、こんな日がくるなんてな、あと精神病のオバチャンが貞子にまつわるヒントをくれるっていうギリギリの攻め方もよかった

現在において涙なしには観られない代物に意図せずして仕上がったがしかしこのことは不幸だとは思えない。なぜならハメ撮りは交通事故のようなものではないからだ。この宇宙はハメ撮りをする次元とハメ撮りをしない次元で構成されているのであり、近頃敏感にならざるを得ない加害だ被害だというパースペクティヴ、顔は映さないからという約束で顔を映しちゃって、局部をぼかすからという契約で局部をぼかさないで、もう完全に、完全に騙されたわという話とはちがうんである。ちょっと1回のつもりでハメ撮りしていつのまにやらはしごハメ、わかっちゃいるけどハメ撮り、というような倫理観で構成されているハメバースという世界は確実に存在している模様。ハメ撮りしまくってる輩にも、そんなことを知らずに鼻くそほじくって生きている輩にも平等に、毎度毎度きっちり朝日は登ってくるんですね

 

そんなメタバースの父、ニール・スティーブンスンによる『スノウ・クラッシュ』はどちらかというとサイバー要素が少なめで、プログラミング言語ふくむ言葉が媒介して脳がハッキングされていた、旧約聖書まで遡る壮大な物語だった、これはすごい…すごすぎる…

ちょうどイエスの墓からソニーのビデオカムの説明書が出てきた、っていうトホホなあらすじの『イエスのビデオ』という文庫をポチったところだったが、そのせっくな読書欲が失せるほどの身のすくむ読後感

 

新作映画情報

真・事故物件は音楽が良かった。ドローンやらノイズ使いは近年の和製ホラーのなかでは群を抜いてセンスが良い。あと密室のライティングもかなり良かったと思う。全体としてのモードは都合よくロブゾンビを模倣してて本当にだめだ。子供騙しです。何回でも騙されるからまた頑張って