狩うどんの夜

巷の積もるうっぷんに呼応してか最近の週刊誌ゴシップはキツい…が、内情を知っていることを面白おかしく歪めて書かれることは案外、当事者としてイライラしないことは発見だった。しかしそんなレベルじゃなくてブラザートムの熊本復興不倫記事が最高だった。彼は人でなしバイアグラ購入強要男だ、という意見が多いけれど、案外奥ゆかしい。「バイアグラは手に入るのたろうか」だって、天皇みたいな頼み方でむずかゆい上品さかあって良いよな。放置プレイのスクショも最高によかったから今月のカレンダーにして活用しています。スクショされてんだから放置プレイとしては失敗してるんだけど

https://twitter.com/masupuru/status/1316223221696327683?s=21

 

軽めで上手な小説が読みたくなって紗倉まな『春、死なん』を買った。自分と遠い話を書いていて、その方法だけで素晴らしいと思う。はっとするような巧さではなくて淡々とした妙味がある、のと同時に結構不器用なところがあって伏線を比喩として回収するところなんかは単純すぎて編集に口を出されないのが不思議なレベルなんだけど、ジジババのことを知りすぎていて不気味だ。きっと不健康な仕事仲間が多いんじゃないかと思う。汁男優の太り方とかチンコとか意味わかんない形してるもんな。表題作は先立たれたジジイの性欲の話。そっちじゃないほうの小説のほうがよかった。子無しの専業主婦とその母の性欲等女らしさに関する話。石がモチーフになっていて勘がいい。うまずめって石女っていうの知らずに書いてそうな野生み

話として旨味はあるけれど、こんな噺を書いてマナティーはどう思ってほしいんだろうか。一見、成熟した恋愛やセックスへの賛美に見えるけれど、その効果としては逆だろう、読み手の性欲を確実に減退させるものだと思う。外形的にみればみるほど、セックスは滑稽でつまらななくなるし。

小説はありえたかもしれない世界、なりえたかもしれない生活や人生を見せてくれるところに醍醐味があるし、知ってほしい世界があるっていうのはかなり純粋な執筆動機だ山崎豊子石牟礼道子楊逸なんかは正義感をもってその効果をドライブさせている一方、まなTは交わりの無い世界を描いて中高年の生活の彩りを暴露した結果奪っているんじゃないか確実に。残りかすのような性欲に光をあてたら溶け去ってしまうその残酷さを思うと胸が苦しくなる。Tは本業で与えた性欲を売文業で奪って精神のバランスをとってるんじゃないか、それか単なるグロふにゃチンコへの復讐。マナティーのAVみたことないんだけど

 

マイノリティへの配慮は進む一方、なかなかえっちな気持ちになれない人々への配慮は各種コンテンツでないがしろにされている気がする。月並みなロマンスだけでなくて、アクション映画なんかでも肝が一回のセックスにあったりして、そこから先は非色欲者の共感の切符は用意されていない。来るべき超高齢化社会に備えてそのあたり誰かいっぺん整理してほしい。ゴルゴはいいよ、セックスは道具だからな

 

AV黎明期の語り部本橋信宏のライフワークは全裸監督で結実したけれど、それ以外にも身近な社会の暗部を照らしていて正義感と下世話な好奇心に溢れた正直な人だと思う。『AV時代 村西とおるとその世界』は左翼崩れのエロ残業にかける熱さを伝えていて感動モノの長編、それ以降、縮小再生産して何冊も書いているのが本当に惜しい。エロがインテリのニヒルな遊びから単純労働者の切実な必需品に成り下がるまでのドラマは切なくて美しい。この衝撃が尾を引いて新刊はチェックしているんだけど今回の『ハーフの子供たち』はいいと思う。ダンサーとして入国したたくさんのフィリピーナの愛の結晶がどんなアイデンティティを持ってるのかっていうインタビュー。フィリピンのハーフもハーフタレントとして大腕を張って歩ける良い時代になったことはクリーンな時代になったのか、みんな鈍感になったのかわからないけれど、良い方向であることには違いない、中学で野球をしていたとき後輩のお母さんにも一人ダンサーがいて、読んでて急にそのこと思い出した。自分の子供は出てないのに練習試合には何度かそのお母さんが何故かきて、乳ブルンブルンさせて野次飛ばしてるのが好きだった、ランナーたまって打席に立ったら「打たないとコロすよ!!」と大声で野次られて、ハッとしてここでやらねばと遠心力を増して長打を生むべく左手の小指をバットの枝にかけた(野球が合理的になるのは段階的で最近こそ科学的なトレーニングが主流になってきたものの大リーグを意識しないガラパコス野球は精神力が優位だった。落合は仁志にタバコをせびってベンチ裏で吸いながら三冠王。未だにバットを短く持つなど非合理なテクニックが横行している、そんなことするなら絶対にもとから短いバットを使うべき)。結局それでどうなったのかは覚えてないけれど、とにかくその瞬間に後輩のお母さんが入管で言ったとおり本当にダンサーだったのかどうでも良くなったし相手のピッチャーのニヤつきに軽蔑した、フィリピーナに生死を委ねることこそがスポーツの醍醐味なんだからな、公立中学だったから地獄の合宿は無かったけれど、あなたこそ私にとっての佐山聡でした、俺は思いっきり蹴れって言ったよな?今のが思いっきりか?思いっきりいけ、コロすぞこの野郎!!!!