リモート日記

仕事がリモートになって読書が捗った。やはり長時間労働マルクス主義の次にクソだ。まあ仕事ないぶん給料が減って生きてるだけでカードが止まりそうなわけですが。

『世界哲学史』(ちくま新書)1-3巻、有史から現代まで8巻まで、毎月これから出るらしい。欧米圏以外にも目配せしつつ、かといって同時代のつながりだけでなく各巻10個くらいのバランスがいい。人的交流があまり無くてもだいたい同じような問いを共有しているのは不思議だし、プラトンアリストテレスの文献の各地への輸入、ヨーロッパへの再輸入されて哲学が加速するのはすごいことだ。神学は哲学とは言えないとある程度切り捨てつつもキリスト教との関わりも充実していて勉強になった。きっと最後まで買うと思う。

近所の大きなゴミが目立つ。皆大掃除してるんだろう、自分もやっと部屋の片付け。シンセの下に挟まっていた高橋源一郎『一億三千万人のための小説教室』(岩波新書)。15年くらい前?この時期の説教具合は岩波のカラーにぴったりだったと思う。今は…   勢いで恋する原発をポチった。驚いたのが、来た変な球を楽しみつつ打ち返すのが小説の醍醐味です、という例にバクシーシ山下『セックス障害者たち』が取り上げられたいた。これは品切れになっているのが惜しいくらい大好きな本。戸川はバク山さんの顔が好きらしいので、勧めて半ば強引に古本を購入させた。ちょっと前までキワキワな人がAVに出ていて、その人たちから迷惑を被り続けている立場にあるバク山さんは当然業界に来る人を人だと思わず、淡々とアクシデントを笑い飛ばしている。なんで笑ってられるんだという感じだけどフェミニストビデ倫との駆け引きも清々しい。名実ともに本当にフラットな人で大好きだ。一度プロレス観戦で近くに座ったときも、周囲の人への配慮を感じた。

シンセは安くて面白いものが増えた。moogのDFAMはパッチングをしなくてもモコモコいなたく面白い音がして、テンポにパッチするといくらでも微妙なコケを作ることができる。あったかい。パターンをすぐに変えるのは難しいから工夫がいるけど次のライブで使いたい。ニューゴリラはどんどん低音に寄ってきた。気づいたら先日のライブはモノシンセ2本だった。星野源がよくつかってるらしいteenage  engineeringのシンセは入院してるときのおもちゃには良かったけど気持ちがぜんぜん燃えなかったしそれを察したのか保証きれた直後に完全に壊れた。確かにだいたいの音は作れるし直感的だけど、だからなんだってかんじ。孤独な世界だと思う。PC環境はなんでも音ができるしあとで変えれるしもう作曲ってよりはプラモ作りに近いんじゃないか。孤独な世界だと思う。

最近の生活は限りなく刑務所に近い。焼身金原ひとみのお父さん金原瑞人の翻訳書はだいたい面白くて見つけたら買うようにしている。『刑務図書館の人びと』はプリズンブッククラブよりも全然よくて驚いた。ユダヤ教への狂信からドロップアウトしたガリガリ看守の著者が口のうまいピンプや本に挟まれたラブレターに共感したり制約下で変な方に洗練されたコミュニケーションを見守る。非常にコロナ下的。遠方の異性に手信号でナンパしたら本命にバレて置き手紙で叱られる充実した日々が羨ましい。

感染症関連の文庫がやたら再発された恩恵で環七でバイクから落とした品切れ本マクニール『疫病と世界史』(中公文庫)を買い戻せてラッキー。ウィルスにやられたりやっつけたりしながら人類は地球上にバイキンマンの如く蔓延った。マンモスを狩まくり焚き火をしまくっていた時から筋金入りのバイキンマンなんだから、地球環境を破壊するのは種としての定めだと信じて心の安寧を得るべきかもしれない。まだみぬ自分の子供とか地球の裏側の人が苦しむのは胸が痛むからできるだけエコ方面に正しく生きたいとは思うけど、それだけのことだな。この本を読んだらダイヤモンドの本は読まなくていい。ここ何年も電車でスーツの男がやたら読んでるけどあれはなんなんだ。

小説はけっこうはずした。大西巨人神聖喜劇はこんな長くてなんか意味あるのか。多和田葉子『雪の練習生』奇妙なクマ一代ものでよかった。フローベール『プブァールとべキュシェ』隠遁した脱サラ実験失敗博士二人のコントを多分野でひたすら見せられ続ける超カルト古典小説だった。自立する分厚さだけど数日で読んだ。園芸にハマり地獄のような庭を作りまくる時期がアツい。こういう男の友情モノに弱いんだよな。

Netflixはミッドナイトゴスペルが面白い。が、悟り系スピの増殖が心配。

 

私のユーモアの師、白玉あもさんがアベノマスクをパンティーにして叩かれていた。心が荒んでいる人が多いと思う。不良品だとか文句を言って使ってない奴よりは全然いいだろう。パンツならカビてても問題ないしね。